今だからこそ
今になって82歳ひとり住まいをリノベーション?
しかも、介護仕様というわけでもなく?
まずそう思われるんじゃないでしょうか。
結論から言うと、「機」が揃ったから。
「機」とは、機会の機であり、時機の機。「きっかけ」や「タイミング」でしょうか。
もちろん、もっと早く気づけばなぁ、もっと早く行動すればなぁ、と何度も思いましたし、今になっても思います。だけど、「機」というのは早かろうが遅かろうが、相応しい時期、相応しい状況にやってくるもの。だから、過去を悔やんでも未来を数えても仕方ない。「今」なのです。ただ、今できることをやってみよう。その過程のすべてを楽しもう。
そう決心したとき、母は82歳だったということです。
キッチンを、使いやすくリノベーションしたらどうか。
45年、住み続けている一軒家。15年経ったくらいの頃に一度リノベーションし、後は必要に応じて所々を直しながら、それなりに不便なく暮らしてきた愛着のある家。ですが、キッチンに関しては古いうえに、暗いことで事故に繋がりやしないかと心配でした。
まして母は大の料理好き。ハーブ教室の生徒さんなど人の出入りも多く、訪れる方に食事を振舞うことも茶飯事。ならば思い切ってキッチンを一新しよう!そう決めたのが2020年早々のことでした。
ところが始動した矢先、コロナにより一旦停止せざるを得ず…。
コロナが考える時間をくれた。
緊急事態宣言が発令された4月、5月の頃、母はキッチンのリノベーションを含むすべてをいったん白紙にし、今後のステージ(居場所)について、改めて考えたと言います。軽井沢にある息子(弟)のセカンドハウスを訪ねるうち、拠りどころのように思えた「長野」で暮らすことも一案になったとか。
ですが、結局、長年築いた人間関係と居心地の良さから、リノベーションはキッチンのみならず、現在の住まいをこれからのステージとして整えようという結論に至りました。
コロナ禍という非常事態。こんな経験は二度と御免だけれど、この状況下だからこそ見えることってありますよね。
「健康」あってこそ
そして、この決断の支えになったのは、なにより「健康」です。82歳だもの、身体に小さな気がかりはあって当然。だけど、大きな不安は…今はない。
80歳を過ぎても衰えない自己管理と諦めない努力は娘としても誇らしいし、家族の誰もが母の背中を押した要因だろうと思います。
また、及ばずながら私の「機」も重なったことで、家族の助けも借りながら、まずは2人3脚、進んでみよう!ということになりました。
母が繰り返し言うのは、「何事も楽しみながら!」
どんなことも、1つ1つ楽しんでチャレンジしていれば、たとえ叶わずとも後悔は残りません。
次のことは、その際に考えればよいのですから。
↑手先を使うことが好きな母の手芸?裁縫?かご。かわいい柄のガーゼ生地は、ひ孫(私の孫)のために編んだおくるみの裏地として縫い付けたんだそう。
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